こんにちは。「gusare」編集部です。
現在教員として仕事をしている方の中には、「教員の仕事は県外にも転勤や異動ができるんだろうか?」と気になっている方も多いのではないかと思います。結婚や家庭環境の変化などの理由で県外に引っ越しをしたい教員の方も少なくないでしょう。
今回の記事では、実際に教員として働いてきた経験を元に、教員は県外に転勤や異動はできるのかや、他県に引っ越したいときはどうしたらいいのか等について具体的に解説させていただきます。
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教員は県外に転勤や異動できる?
基本的に、教員は県外の学校でも働けます。ただし、県外に転勤・異動する場合は、引越し先の自治体で教員採用試験を受け直さなければなりません。
教員が転勤・異動する際は「管理職に異動希望を伝えて辞令を待つ」という流れが一般的です。
しかし、県外に転勤・異動となると、教員の採用に関する権限を持っている「任命権者」が変わるため、改めて試験を受け直す必要があります。
たとえば、東京都の公立学校で働く教員が埼玉県に引っ越す場合、任命権者は「東京都教育委員会」から「埼玉県教育委員会」に変わります。
そのため、東京都の教員が埼玉県の公立学校で働くためには、埼玉県教育委員会が実施する教員採用試験を受けなければなりません。
教員採用試験は働きながらでも受験できますが、仕事と勉強の両立が大変に感じる方も多いと思われます。
私も小学校教員だった時に「県外で働きたい」と考えたことはありましたが、教員採用試験を受け直す必要があると知り、断念してしまいました。
ただ、中には教職経験者の試験を一部免除している自治体もあるため、引越し先によっては勉強の負担を減らせます。
また「正規教員でなくてもかまわない」「教員以外の選択肢も考えている」という方は、他の方法で県外に転勤・異動することも可能です。
県外への転勤や異動を考えている教員の方は、引越し先でどのように働きたいかを検討した上で、準備を進めましょう。
「県外に行きたいけれど、教員を続けるべきか、転職するべきか、キャリアに悩む……!」という方は、キャリアコーチングでプロから客観的なアドバイスを貰ってみるのもオススメです。転職サービスではないので、教員を続ける選択肢も含めて相談が可能です。
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教員が県外に転勤や異動をしたいときはどうするべき?
教員が県外に転勤や異動をしたい時、具体的にどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、教員が県外に転勤・異動する手段を3つ紹介します。
・教員採用試験を受け直す
・臨時教員として働く
・県外の職場に転職をする
上記から、今後の生活スタイルに合ったものを選びましょう。
教員採用試験を受け直す
他県で正規教員として働きたい方は、教員採用試験を受け直しましょう。
採用試験は、教員の仕事を続けながらでも受験できます。しかし、教員採用試験の試験項目は以下のように幅広く設定されているため、仕事をしながら勉強や対策を進めるのは大変かもしれません。
・筆記試験(一般教養・教職教養・専門教養・小論文)
・実技試験(体育・音楽・美術などの教科ごとに設定)
・面接試験(個人・集団・模擬授業など)
・適性検査
「教員をしながら試験勉強をするのは大変……。」と感じる方は、自治体ごとに設けられている「特別選考枠」を利用しましょう。
各自治体では、特定の条件を満たす人に対して採用試験の一部を免除する「特別選考枠」が設けられています。
たとえば、山形県では「県外の国公立学校で正規教員として3年以上勤務」「出願時点で在職」の条件を満たす人に対して「一次試験」と二次試験の「実技」を免除しています。
条件は多少異なりますが、特別選考枠は神奈川県・愛知県・広島県などでも利用可能です。
ただし、教職経験者向けの特別選考枠は、すべての自治体で利用できるわけではありません。該当する特別選考枠がない場合は、他の受験者と同様に全試験を受ける必要があります。
県外の自治体で教員採用試験を受け直す場合は、特別選考枠の有無や条件をチェックしておきましょう。
臨時教員として働く
「教員採用試験を受け直すのが大変」「正規教員でなくても大丈夫」という場合は、臨時教員として働く方法もあります。
臨時教員とは、正規教員が育児休業や病気休職などで長期的に仕事を休む時、代わりに学校で勤務する教員のことです。
意味が似ている言葉として「常勤講師」や「非常勤講師」もありますが、臨時教員は勤務形態が正規教員と変わらないため「常勤講師」の扱いになります。
臨時教員として働くために、教員採用試験を受ける必要はありません。申請書類に必要事項を記入し、自治体に提出するだけで臨時教員として名簿に登録されます。
臨時教員だと、試験を受けるよりも簡単に採用をもらえますが、あくまで「正規教員の代わり」として学校に勤務する立場です。
そのため、臨時教員には以下のようなデメリットがあることを覚えておきましょう。
・正規教員よりも給料が少ない
・産休・育休などの休暇をもらえない
・次の採用先が決まらない可能性もある
↓こちらの記事では常勤講師・臨時教員になるのが不安な方向けに、よくある不安と対策方法を解説しています。デメリットも理解したうえで、今後のキャリアを考えてみてください。
ただ、自治体によっては臨時教員向けに特別選考枠が設けられており、正規教員になるチャンスを狙いやすくなる場合があります。
「今は時間がないけれど、いずれは採用試験を受け直したい」と考えている方は、ひとまず臨時教員として働くことも選択肢の一つに入れてみてください。
↓こちらの記事では、教員を辞めて講師になるための方法や流れについて詳細を解説しています。臨時教員の仕事にも興味がある方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
県外の職場に転職をする
「どうしても教員をやりたいわけではない」「他の仕事もしてみたい」という方は、県外の職場に転職する方法もおすすめです。
教員採用試験を受ける場合と違って、転職活動では仕事と勉強を両立させる必要がありません。そのため、仕事をしながら教員採用試験を受けるのが難しい人にとっては、転職のほうが向いている場合があります。
引越しを機に教員以外の新たな挑戦をしたい人にとっても、転職は良い選択肢の一つです。
ただし、県外の職場となると、土地勘がないために転職先を探すのに手間取ったり、面接に行くための交通費・宿泊費が高額になったりするかもしれません。
できるだけ転職活動をスムーズに進めたい場合は、転職エージェントの利用を検討してみましょう。
転職エージェントは無料で利用できるため、引越し以外の費用をかけたくない方でも気軽に相談できます。
勉強の必要がないとはいえ、転職活動も教員の仕事と同時進行するため、余計な手間をかけず効率的に進めるように心がけましょう。
<教員にオススメな転職エージェント>
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また、「引っ越し予定の都道府県であまり魅力的な仕事がない……。」という場合は、在宅勤務の仕事を探してみるのもオススメです。在宅勤務の仕事であれば、住む地域に関係なく自宅で仕事ができます。
↓こちらの記事では在宅勤務の仕事をするための方法について解説していますので、興味のある方は参考にしてみてください。
教員にオススメな転職エージェント
ここからは、教員にオススメな転職エージェントをまとめて紹介させていただきます。
転職エージェントを活用することで、忙しい教員の仕事の合間に転職活動を進めていくことが可能になります。
また、自分自身の経験や希望を踏まえて転職先の紹介や転職活動のサポートを行ってくれるため、転職に慣れていない教員の方にもオススメです。すぐに転職をするつもりがない方でも、まずはエージェントに相談してみて情報収集をしておくのが良いでしょう。
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教員が他県で受け直しをする流れ
教員として働いている方の多くは「他県でも正規教員として働きたい」と考え、教員採用試験の受け直しを検討しているかもしれません。
そこで、ここからは教員が他県で教員採用試験を受け直す際の基本的な流れを紹介します。下記のステップに沿って準備を進めましょう。
・引越し先の自治体に特別選考枠があるか確認する
・管理職に報告して必要書類をもらう
・教員採用試験に向けて対策を進める
・教員採用試験を受ける
それぞれ具体的に解説していきます。
引越し先の自治体に特別選考枠があるか確認する
まず、引越し先の自治体に特別選考枠があるか確認しましょう。特別選考枠の有無で試験対策の内容も大きく変わるためです。
大抵の場合、教員採用試験の募集要項は各自治体のホームページに記載されています。
募集要項には特別選考枠の有無だけでなく、加点制度や各試験の配点、試験当日に必要な持ち物などが記載されているため、よく確認しましょう。
特別選考枠がある場合は、免除される試験項目や、提出が必要な書類についてもチェックします。書類に不備があると特別選考枠から外れる可能性があるため、注意しましょう。
管理職に報告して必要書類をもらう
教員採用試験を受けると決めたら、次は管理職に報告します。その際、勤務校や教育委員会に発行してもらう書類がある場合は、報告と同時にお願いしましょう。
たとえば、山形県では教職経験者が出願時に提出する書類として、以下の2つを提示しています。
・在職証明書(任命権者に作成を依頼すること)
・勤務状況調書(所属長に作成を依頼すること)
任命権者とは「教育委員会」、所属長とは「学校長」を指します。そのため、書類をもらうためには、県外の教員採用試験を受けることについて、まず管理職に報告しなければなりません。
ただ、書類の発行が不要だったり、特別選考枠が設けられていなかったりする場合でも報告は必要です。
教員採用試験に合格すると、現在勤務している学校を離れることになります。異動ギリギリになってから管理職に報告しても、学校に迷惑がかかり、周りの教員と関係が悪くなるかもしれません。
スムーズに転勤・異動の準備を進めるためにも、早めの報告を心がけましょう。
教員採用試験に向けて対策を進める
試験対策を進める時は、すきま時間を有効活用しましょう。
特別選考枠があれば勉強量も少なくて済みますが、一般選考枠ですべての試験を受験する場合は、筆記試験や実技試験など幅広く対策しなければなりません。
教員が働きながら効率的に勉強するためには、時間管理を徹底することが大切です。
具体的には、できるだけ定時で退勤したり、無駄な時間を削ったりして勉強時間を確保します。仕事やプライベートとのメリハリをつけることがポイントです。
ただし、勉強をしすぎて睡眠時間が減ってしまうと仕事に支障が出るため、体調管理も怠らないようにしましょう。
また、教員採用試験の内容は、自治体によって異なる点にも注意してください。
たとえば面接試験は「個別面接」だけでなく「集団面接」「集団討論」などの形式があります。面接と同時に「模擬授業」「場面指導」を実施する場合もあり、細かい内容は自治体によってさまざまです。
筆記試験も自治体ごとに出題傾向が異なるため、それぞれ対策する必要があります。
県外の教員採用試験に合格するためには、過去に受験した経験だけに頼らず、自治体に合わせた対策を進めましょう。
教員採用試験を受ける
多くの場合、教員採用試験は一次試験が6〜7月頃、二次試験が8月頃に実施されます。試験日が勤務日と重なっている場合は、あらかじめ管理職に相談して「年次休暇」を取得しましょう。
教員採用試験では、特別選考枠の有無にかかわらず、面接試験を実施する自治体がほとんどです。
面接の質問には簡潔明瞭に答えるだけでなく、これまでの教員経験をどのように生かしたいか熱意を持って伝えるよう心がけましょう。
合格者発表は、二次試験の約2ヶ月後です。もし試験に落ちても、合格者に欠員が生じれば「繰り上げ合格」になる可能性があるため、最後まで諦めずに結果を待ちましょう。
【まとめ】
教員は県外に転勤や異動ができて、その方法もさまざまです。
正規教員として働く場合は、教員採用試験を受け直す必要があります。正規教員にこだわらないのであれば臨時教員、それ以外の道を選ぶ場合は転職もおすすめです。
教員採用試験を受け直す方は、まず引越し先の自治体に「特別選考枠」があるかチェックしましょう。特別選考枠が設けられており、条件に当てはまっていれば教員採用試験の一部が免除されるため、試験対策の負担を減らせます。
教員採用試験を受けると決めたら管理職に報告しましょう。仕事をしながら効率よく試験対策を進めるためには、すきま時間の有効活用や自己管理の徹底がポイントです。
本記事を参考に、県外に転勤や異動をする準備を着実に進めていきましょう。
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