こんにちは。「gusare」編集部です。
現在研究授業に向けて取り組んでいる方や、研究授業を終えてフィードバックを受けている方の中には、「研究授業がつらい……!」と感じている方もいらっしゃるかと思います。
今回の記事では、実際に研究授業を受けた経験を元に、研究授業がつらいと感じる原因や、乗り越えるための方法について具体的に解説させていただきます。
研究授業がつらい……!
研究授業とは、実際に授業を行う様子を他の実習生や指導教員に見てもらい、アドバイスや批評を受けるものです。教育実習においてはメインともいえる内容であり、必ず通らなければならない道でもあります。
しかし「研究授業なんてできればやりたくない!」という方も多いのではないでしょうか。研究授業に取り組んでいる方やフィードバックを受けた方の中にも「研究授業がつらい!」と感じている方もいるでしょう。あるいは教育実習が当分先であっても「研究授業ってどうしたらいいんだろう」と不安に思っている方もいるかもしれません。
自分の授業を人に見られるのはとても緊張するものです。私も教育実習中、何度か研究授業を行いましたが、毎回胃が痛くなるほど緊張したのを覚えています。それは決して特別なことではなく、一緒に教育実習をした仲間たちも同様でした。「研究授業の前日は不安で眠れなかった」と語る友人もいたほどです。
今回の記事では「研究授業がつらい!」と感じている方や「研究授業をするのが憂鬱」という方向けに、研究授業がつらいと感じる原因や対策方法について解説していきます。
研究授業がつらいと感じる原因は?
最初に研究授業がつらいと感じる原因について解説します。
つらい、といっても人によって感じるつらさは異なります。たとえばそもそも人前で何かをするのが苦手という方もいるでしょうし、自分の授業が評価されることに緊張や恐怖を感じる方もいるでしょう。
しかし研究授業をつらいと感じる原因の多くは、研究授業の立案からフィードバックまでの労力や心労にあります。ここでは研究授業を3つのセクションにわけ、それぞれのタイミングで「研究授業がつらい!」と感じる原因となりうるポイントを紹介します。
研究授業の準備段階:指導案の作成がつらい!
研究授業を行うとき、最初に立ちはだかる壁が指導案の作成です。
研究授業がつらいと感じる理由の1つ目は、指導案作成の段階にあります。
指導案は授業を行う上での計画書のようなもので、教職を取っている人であれば大学の授業でも書いたことがあると思います。「指導案を書くのがどうしても苦手」という人にとっては、研究授業の指導案作成は苦痛なものになります。加えて、大学の授業で指導案を書くときは書くだけで終わる場合が多いですが、研究授業の場合は実際に授業を行わなければなりません。そのため、授業で指導案を書くときとは違った難しさがあります。
最も大きく異なるのは、実際に指導する子どもの顔が浮かぶ点です。大学の授業で指導案を書くときは対象となる子ども像を想定して書きますが、研究授業の場合は担当する子どもたちが実在します。授業展開ありきではなく、子どもありきで指導案を書き、授業を展開しなければなりません。そのため、自分が持っていきたい授業の方向と子ども観が合致しない場合があります。そうなると指導案作成は困難を極めるのです。
研究授業本番:想定通りに進まない授業がつらい!
指導案が完成したら、それを元に授業を行います。これが研究授業の本番です。
しかし相手は子どもたちですから、ほとんどの場合授業は想定通りに進みません。これが研究授業がつらいと感じる理由の2つ目です。
もちろん相手にする子どもたちの年齢層によって直面する問題は変わってきます。低年齢層の子どもたちであれば授業に飽きてしまうかもしれませんし、別の話題で盛り上がってしまう可能性もあります。年齢が上がればこちらが想定もしていなかったような質問が飛んでくる場合もあります。
経験が豊富な教員であれば想定外の事態にも何らかの方法で対処することができます。しかし教育実習生の場合、想定外の事態に対応する対応力も授業のネタも備わっていません。そのため小さなハプニングであっても動揺し、その後の授業展開に影響が出る場合があります。
研究授業後:指導教員からのフィードバックがつらい!
研究授業が終わると待ち受けているのが、指導教員からのフィードバックです。研究授業がつらいと感じる理由の3つ目はこのフィードバックで、中には「授業本番は緊張しなかったけど、指導教員からのフィードバックがつらかった」という人もいます。
指導教員からのフィードバックは、基本的には授業の改善点を話したり「このときどうしたらよかったと思う?」と実際に行なった授業からケーススタディのように議論したりする場です。授業の改善や教育実習生の成長には欠かせないものである一方で、自分の授業に直接的な評価が下される緊張の一瞬でもあります。
「実習生の自分が完璧な授業なんてできるわけがない」と頭ではわかっていても、至らなかった点を指摘されるのは大きなストレスです。そのストレスや「どんな評価が下されるだろう」という不安が、研究授業がつらいと感じる理由のひとつなのです。
教育実習の研究授業で失敗したという方は↓こちらの記事もどうぞ!
つらい研究授業を乗り越えるための方法は?
ここまで研究授業がつらいと感じる理由について解説してきました。
しかしどれだけつらくても、教育実習に臨む以上研究授業は必ず通らなければならない道です。やらなければいけないことは同じでも、せめて少しでも気持ちを軽くして研究授業に向き合いたいですよね。
ここからは、先ほどご紹介した研究授業がつらいと感じる3つの理由それぞれについて、乗り越えるための方法を解説します。
いままさに「研究授業がつらい!」と感じている人は、ぜひ参考にして実践してみてください。
指導案作成の段階でアドバイスをもらう
まずは指導案作成がつらい場合の対処法から解説します。
指導案の作成がつらい場合の対処法は、積極的に指導員からアドバイスを貰うことです。
研究授業の指導案作成は、何度か指導教員のチェックが入ります。指導教員から見て「ここで躓きそうだな」「この内容はこのクラスの子には難しいのでは」と思う点を指摘してもらえるので、その意見を参考に指導案を練り上げていきましょう。
指導案の作成がうまくいかなかったり、不安だったりする場合には、さらに細かく指導教員にアドバイスを求めることでスムーズに進む場合があります。
たとえば、指導教員に指摘されていないけれどこの内容でいいか迷っているという場合や、とりあえず書いてみたけれどもっといい案があるかどうか知りたい場合など、引っかかるものがあれば積極的に指導教員に聞いてみましょう。
指導教員には実際に子どもたちを数多く指導してきた経験があります。そして実際に子どもたちがどんな様子かをよく知っている人物でもあります。子どもたちの様子やクラスの特徴などを反映させながらアドバイスをしてくれるはずです。
自分1人で考えていると煮詰まってしまうことも多い指導案作成ですが、先人の知恵を借りながら進めることで「指導案作成が進まない!」という事態を防ぐことができます。
授業が想定通りに進むとは思わないようにする
どれだけ指導案を完璧に書いたとしても、授業が想定通りに進むことなどほとんどありません。想定通りに進めようとすればするほど、授業が思うように進まないストレスや焦りは大きくなります。
研究授業本番に臨むときは、最初から想定通りに進むとは思わないようにするのがコツです。
むしろ想定外の事態を楽しむつもりで研究授業に臨むとよいでしょう。目の前の授業を進めることも大切ですが、授業中の子どもたちの反応や様子から得られるものは研究授業だからこそ学べる点です。予想もしていなかった反応や事態に対して、自分がどう反応するかを知るチャンスでもあります。
ここでタブーなのは、子どもたちから答えられない質問が上がったときに適当に流してしまうことです。子どもたちからの質問に答えられないことは、「研究授業を失敗してしまった」と感じる原因のひとつです。だからといって質問をうやむやにしたり、適当に答えてしまうことは、答えられないことよりもずっと授業の評価を落とすことになります。
人間ですから知っているはずの知識が出てこないこともありますし、知らないこともあります。そういうケースでは、調べて後から答えたり、場合によっては子どもに調べさせたりして対応しましょう。
この考え方は、晴れて教員として働き始めてからも使える考え方です。研究授業に対する考え方にも取り入れて、研究授業を乗り切りましょう。
フィードバックが教育実習の評価ではないことを覚えておく
先ほども述べたとおり、フィードバックは実習生の授業の改善点について議論する場です。もちろんよかった点を褒めてくれる指導教員もいますが、指導教員によっては改善点だけを伝えられる場合もあります。たとえ褒めてくれたとしても、改善点や至らなかった部分を指摘されると「私の授業は失敗だったんだ」と落ち込んでしまいますよね。
ここで大切なことは、研究授業のフィードバックは評価ではないということです。
見るからに事前準備が足りなかった場合を除けば、授業をやってみて「準備が足りなかった」と感じることも「もっと工夫できたんじゃないか」と感じることも立派な学びです。指導教員からのフィードバックはあくまでプロの目線からの指摘であって、教育実習の評価に直結するわけではありません。指導教員も教育実習生に完璧な授業は期待していませんから、フィードバックだからといって身構える必要はないのです。
むしろフィードバックを受けてどのように対策を考えるか、また研究授業を通して自分の授業をどのように見るか、という点は、実習に対する姿勢として評価の対象になり得ます。
フィードバックの時はあくまで謙虚に、この先に活かせることを考えながら指導教員からのアドバイスをもらいましょう。
【まとめ】
教育実習の目玉である研究授業。
指導案作成からフィードバックまで、学んできたことを発揮しながら丁寧に進めていく必要があります。
その作業量の多さや心理的な負担の重さから、「研究授業がつらい!」と感じる人は少なくありません。しかし教育実習にいく以上決して避けては通れないのが研究授業です。可能な限りつらいと感じる部分を解消して研究授業に臨みたいですよね。
今回の記事では「研究授業がつらい!」と感じる方向けに、研究授業がつらいと感じる原因や乗り越える方法について解説しました。
研究授業のつらさは、指導教員に頼ったり考え方を少し変えたりすることで軽減できる可能性があります。
本記事を参考に、つらい研究授業を乗り越えて教員になる未来に一歩近づきましょう。
コメント