こんにちは。「gusare」編集部です。
国語教師の仕事に興味のある方の中には、「国語教師として働くやりがいや、仕事の魅力ってどんなものがあるんだろう?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、実際に国語教師として働いていた経験を元に、国語教師という仕事のやりがいや魅力について解説していきます。
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↓こちらの記事では、国語教師になりたい理由や志望動機の書き方について解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
国語教師のやりがいとは?
私は三十年あまり、国語教師として中堅私立高校の普通科で勤務しました。荒れてなどはないですが、生徒間の学力差はかなり大きい学校です。制服あり、体育祭や文化祭ありの、一般的な高校を想像してもらえたらと思います。
世間では、教師の仕事はキツいと思われています。たしかにそうかもしれませんが、一方でやりがいの宝庫でもあります。ここからは、国語教師ならではのやりがいを三つほど紹介します。
生徒の生きていく力にコミットできる
日々の授業やテスト、添削を通して生徒の国語力を伸ばすことができる、これが国語教師として仕事をする醍醐味の一つです。
国語力には、読む力・書く力・聞く力・話す力などがありますが、どれも生きていく上で必須のスキルです。まともに文章を書けなかった生徒が、いっぱしのものを書けるようになる。話すことが苦手だった生徒が、議論に参加できるようになる。昨今、核家族化の進行とともに共働き世帯が増え、家庭の教育力が弱まっています。実生活と密接に結びつく国語を教えるということは、非常に大事な営みなのです。
本の世界が広がる
読書の大切さについては、いまさら述べるまでもないでしょう。ただ、社会に出て働き出すと、なかなか本を読む時間がとれないというのが一般的です。その点、国語教師は仕事として日常的に本に触れることができます。それも、イマドキの小説から硬質な論説文まで、ジャンルも様々です。古文や漢文にも親しめます。活字を通して世界を広げるのが好きな人にとっては、まさに最高の職業でしょう。
古典作品から一つ、例を挙げてみます。高校一年生で扱う教材『十訓抄』です。鎌倉時代の説話集なのですが、その中に、実話をもとにしたこのような話があります。
和歌の名手を親にもつ女性が歌合わせに参加することになりました。それをある男がからかって、「親に泣きついたのだろう」というような発言をします。女性は当意即妙に名歌を詠み、男性を見事に撃退しました。
これだけですと、意地の悪い男が恥をかいたという痛快エピソードですが、実は後日談が存在します。驚くべきことに、この女性と男性は恋人関係になるのです。人間というのは実に面白いと思いませんか。そんな面白さを、文章を通じてたっぷりと味わえるのが、国語教師という仕事なのです。
柔らかい発想を忘れずにいられる
もう一つ、国語教師の醍醐味として、生徒の柔らかい考え方に触れられるという幸せがあります。社会人になって年数が経つと、自分の思考に柔軟性がなくなっていることに気がつきます。いや、それさえも柔軟な思考をしてくれる生徒がいるから自覚するのかもしれません。
こういう場合にはこうする、という理論のようなものが自分の中に組み上がっていて、そこから外れようとすることが少なくなっていきます。そうしたなかで、生徒は斬新で柔らかい発想を教えてくれます。文章の読み方一つとってもそうです。ついつい教師として、「この箇所はこのように読むべきだ」という読解をしてしまいますが、生徒は枠に囚われない自由な発想で、私のおカタイ読みを打ち砕いてくれました。教師には「若い」人が多い、という声をよく耳にしますが、私は生徒から若い考えを分けてもらえるからだと思っています。
ちなみに、思考は言語を通じて形になります。ですから、国語を日常的に扱う国語教師は、他教科の教師に比べ、生徒の柔軟な思考に触れる機会は圧倒的に多くなります。これも、国語教師ならではの大きなメリットだといえます。
仕事としての国語教師の魅力
さて、次は気になる待遇のお話です。給与体系など具体的なものについては、自治体や学校によって様々ですので、一般的な内容についてお話します。
文筆系の仕事を任せてもらえる
教師の仕事のひとつに、学年の仕事というものがあります。学年行事や成績処理などが該当し、学年団の先生で分担して業務にあたります。そのなかで、国語教師に任せられる仕事はやはり、国語的な力が必要となるものです。書類の文言の執筆や校正など、ここでも自らの専門性を活かし、そして磨くことができます。エクセルの数式を使った複雑な仕事などは、めったに回ってはこないのです。
仕事の裁量権が大きい
ところで、教師を目指すからには、教師像のようなものがそれぞれにあるのではないかと思います。例えば、授業に力を入れたい、一つにまとまったクラスにしたい、などなど。ただ一方で、教師の仕事といえば、種類は多様で量も多いというイメージがあるのではないでしょうか。自分は生徒指導に力を入れたいのに、その時間が十分にとれないのではないか…。
たしかに、教材研究・クラス経営・保護者対応・クラブ活動・書類作成など、教師の仕事は多岐にわたります。ですが、それぞれの仕事の完成度を決めるのは、教師自身です。教師自身が仕事の裁量権の大部分を握っているのです。例えば、生徒時代に提出物をクラス担任の先生に取り立てられた記憶はあるでしょうか。徹底的に取り立てられた人もいれば、あまり取り立てられなかった人もいるでしょう。これも、裁量です。「クラスの生徒に課題を提出させる」という仕事をどこまでやるかは、教師自身ということになるのです。
生徒指導に力を入れたければ、他の業務の完成度を100%から90%にすればいい。どの業務に力を入れ、どのような教師になるか。それは、まさに一人一人が自由に決められるのです。
出世競争と無縁でいられる
一般企業に勤めると、やはり「出世」という言葉がついて回ります。役職につけば責任も増えますが給料も上がります。多くの人ができることなら出世したいと思うでしょう。
一方で、教師という職業は、出世とは無縁といえます。もちろん、校長や主事、主任など、役職は存在しますが、一般企業に比べるとそれほど神経質にならなくてすみます。普通は年に少なくとも一度は管理職と面談し、仕事ぶりなどを査定されるものですが、教師はそこまで厳密な査定をされないケースが多いのです。気持ちに余裕をもって働くことができるというのは、良いものです。
【まとめ】
国語教師は、自分の世界を豊かにしながら、生徒の生きる力を養成することができる、やりがいのある仕事です。そして同時に、ある程度自分のペースで仕事量を決めることができるという側面があります。
国語教師の仕事に興味がある方は、ぜひ国語教師になって教壇に立ち、多くの生徒を導いてください。
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