こんにちは。「gusare」編集部です。
塾講師としてバイトで働いている大学生の方や、塾講師をお願いしている方の中には、「塾講師って大学名を言ってはいけないの?どうして?」と疑問を感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。
今回の記事では、実際に塾講師や塾の教室長として働いてきた経験を元に、塾講師は大学名を言ってはいけないのかについて具体的に解説させていただきます。
塾講師は大学名を言ってはいけない?
まずはじめに、私の自己紹介をさせていただきます。
私は新卒5年目になる社会人です。大学では教育学部に所属し、教員免許取得を目指す傍ら、塾講師のアルバイトをしておりました。その後、新卒で個別指導塾の教室長として約2年勤務し、現在は教育関係の一般企業でのんびりと働いております。
「塾講師は大学名を言ってはいけないのかどうか?」という質問に対しての私の答えは、「塾による」だと考えます。
私が塾講師として働いていた塾は、地域に根ざしたアットホームで小さい個別指導塾だったので、プライベートな内容の話もたくさんしていました。
そのため、特に大学名に関する指導はされず、かなり早い段階で生徒に特定されていました。
一方で、教室長として働いていた塾は、全国展開している個別指導塾だったため、講師の大学名や学歴などはあまり言わないようにしていました。
また、自分自身も出来るだけそのように心がけていました。周りの教室長も、大々的に「〇〇大学卒です」と卒業大学を生徒に言っている人はあまりいませんでした。東京の某有名大学卒の方でさえも、自分の学歴を黙っていたように思います。
このように、それぞれの塾によって対応が異なるということが分かります。
塾講師で大学名を言ってはいけない場合の理由は?
では、塾講師の仕事で「大学名を言ってはいけない」というルールがある場合、考えられる理由について解説していきたいと思います。
講師間の学歴差を感じさせないため
まず考えられるのは、クレーム対策です。
大学名を公表してしまっていると、生徒や保護者から、「あの子の先生は東大卒なのに、どうして私の先生はそこまで偏差値が高くない大学の方なんですか!」と言われてしまう可能性もあります。特に個別指導塾の場合、月謝は一緒でも、講師や授業の質を均一にすることは難しいです。
そのために、学歴を言わないことでそのようなクレームを防ぐことができるとも考えられます。
自分よりも高い偏差値の学校を志望する生徒を指導しにくくなるから
次に、別の理由でのクレーム対策ということも考えられます。
例えば、「県で1番上の国立大学を目指している生徒が入塾したいと言ってきたが、自分は県で5番目の私立大学に通っていた。」というケースがあったとします。
その場合、特に何も言ってこない生徒や保護者なら問題ないですが、「〇〇大学に行きたいのにそれ以下の大学を出られていて、うちの子を指導できるんですか」と言われる場合もあります。もしくは、直接的に言われずとも不安に感じさせてしまう場合があります。
上を目指す生徒は、基本的に進学塾や大手予備校に通うケースが多いので個別指導塾に来ることは少ないです。ただ、もしそういった子が入塾した場合にどの講師でも対応できるように、大学名を言わないのではないかと思います。
講師のプライバシーを守るため
次に、講師の個人情報を保護するという理由も考えられます。
例えば、私が見聞きした中では、気になっている講師の大学に生徒が押しかけたケースや、生徒が講師の大学名を聞き、ネット上で講師のSNSを特定するケースもありました。
そのため、このような危険な事件から講師の個人情報を守り、安全で健全に仕事ができるようにすることも大きな理由の1つだと考えられます。
人材不足のために学歴不問で講師を雇っているから
最後に、塾業界の裏事情として、人材不足であることも理由として挙げられます。
人手が足りず困っている一部の塾では、学歴不問で生徒監督的な立場として講師を雇っている場合もあります。
塾によっては、大学中退者や専門学校•短期大学卒の講師が在籍していることもあり、その場合は学歴は言わないようにと指導されるケースもあるかもしれません。
塾講師のバイトで大学名は関係ある?
では、ここからは塾講師のバイトで大学名は関係あるのか、大学生目線と保護者目線それぞれで解説していきたいと思います。
大学名で塾講師の採用は決まる?
これに関しては、答えはNOだと思います。
有名大学卒や難関国公立大卒でも、人間性やコミュニケーション能力に問題がある方は採用されません。
特に個別指導塾の場合、偏差値40くらいの大学卒でもしっかり勉強して真面目で誠実な講師であれば、雇われることもあります。
ただ、もちろん塾によっては大学名で足切りをしているところや、在籍•卒業大学の指定があるところもあります。
大学生の方は、大学名はもちろん大切ですが、もし大学名に自信がない方は、それと合わせて人間性やコミュニケーション能力、柔軟な思考、子どもの能力に合わせて話せる力などのスキルも身につけると良いと思います。
ですので、自分のスキルを高めることをまず第一に考えていくと良いのではないかと思います。
保護者の方は、お子様の志望校に合わせて塾選びをすることが非常に重要です。高いレベルを求めるのであれば、講師の学歴や大学が保証されている予備校や受験専門塾を選ぶと安心です。
塾講師は有名な大学名の人に頼んだ方が良い?
これに関しても、答えはNOだと思います。
有名大学卒でも、生徒との信頼関係を築けない方もいらっしゃいます。
お願いする塾講師の方の大学名はもちろん大切ですが、それと合わせて講師の人間性やコミュニケーション能力、柔軟な思考、子どもの能力に合わせて話せる力などのスキルも見極めることが重要です。
また、高いレベルを目指す場合は指導力の高さや受験に対しての適切な知識があるかどうかをきちんと判断してお任せすると良いと思います。
塾講師で評価される大学のレベルはどれくらいから?
これに関しては、塾によります。
個別指導塾の場合、地元の国公立大学の講師であれば、生徒や保護者からは高い評価を得られるのではないかなと思います。
集団塾や大手予備校の場合は、最低でも関関同立やGMARCH以上、旧帝大や難関国公立大学であれば高く評価されると思います。
保護者の方は、そこまで難しい大学を志望していない場合、地元の国公立大学の講師であれば安心できると思います。特に、地元で生まれ育った講師であれば受験傾向もよく理解しているので、地元での受験に対しては特に適切な指導が行えると思います。県外受験の場合は、志望校の情報を持っている塾や予備校に通うことをおすすめします。
一方で、難関大学を目指す場合、やはりその大学と同等レベルかそれより高い大学の講師に指導してもらう方が良いと思います。
最近ではオンラインで旧帝大や難関国公立大学の講師が教えてくれる塾もあるようです。
実際に授業を体験してみて、本人が信頼できると思える講師にお願いするのが良いと思います。
【まとめ】
塾講師としてバイトで働いている大学生の方や、塾講師をお願いしている方の中には、「塾講師って大学名を言ってはいけないの?どうして?」と不思議に感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。大学名を言わない理由としては、今回解説したようにさまざまな理由が挙げられます。その理由を知った上で、大学生の皆さんは塾講師として楽しく働いてもらえたら嬉しいです。また、保護者の皆様は、自分のお子様が目指す進路に合わせて、塾講師の大学名を意識して見ていただくと良いと思います。
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