こんにちは。「gusare」編集部です。
教室長の仕事に興味がある方の中には、「教室長の仕事ってノルマはあるの?内容はどんなもの?」と気になっている方もいるかと思います。
また、現在教室長として働いている方の中には、「教室長のノルマが大変で辛い……!」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、実際に教室長として働いていた経験を元に、教室長のノルマがどんなものなのか、そしてノルマが達成できない時の原因と対策方法について具体的に解説させていただきます。
教室長のノルマとは?
まずは、記事を書いている私の経歴を紹介させていただきます。
私は新卒5年目の社会人です。
大学の教育学部で小学校、中学校、高校全ての教職免許を取得し、就活を経て現在は教育関係の一般企業で働いております。
新卒で約2年間個別指導塾の教室長として勤めておりましたので、まずは私自身の経験談を元に、教室長のノルマがどんなものなのか、お話したいと思います。
まず、そもそも教室長のノルマとは、
・通常月の売上をあげること
・講習月の売上をあげること
・新規生徒を増やすこと
・特別イベント等での売上をあげること
などが挙げられます。(会社や塾によってはもう少し細分化されていたり、上記以外のノルマがあったりするところもあると思います。)
基本的には「売上を上げる」・「生徒数を増やす」が教室長のノルマであり、
売上数値目標を達成すること=ノルマ達成
生徒目標を達成すること=ノルマ達成
という構図になっている会社が多いのではないでしょうか。
教室長として働いていると、「教育の仕事なのに営業職のように売上目標などのノルマを達成しないといけないのが苦しい…!」と思う方も少なくないかもしれません。
実際、私もこのノルマを達成するために講習時期は残業をしたり、休日返上したりして働いていました。正直な話、教室は黒字化できていたのでノルマが無ければそこまで頑張る必要は無かったと思います。
ただ、性格上「目標を達成したい…!」「周りが頑張っているのに足を引っ張りたくない…!」と思ってしまうタイプだったこともあり、ノルマを達成するために必死に努力していました。
このノルマを達成できているうちは良いのですが、もちろんノルマを達成できない時もあります。相当な営業手腕の持ち主であれば、毎回ノルマを達成することが出来るかもしれません。また、ノルマが達成できなくてもそこまで落ち込まない人もいらっしゃると思います。
ですが、私自身は「新卒でスキルはないのにノルマを達成したい気持ちだけある」という最悪なパターンだったため、ノルマを達成するまで身体的・精神的に非常に苦しかった記憶があります。
↓こちらの記事では、いきなり塾の教室長になって辛いとお悩みの方向けに原因と対策方法を解説しています。
教室長のノルマが達成できない原因は?
では、ここからは教室長のノルマが達成できない原因について、説明していきたいと思います。
数値目標が高すぎるから
まず、第一にそもそも会社から提示された数値目標が高すぎる可能性があります。
ある程度経験を積んでいる教室長であれば、「生徒数が〇人だからだいたい〇万円くらいの売り上げは見込めるだろう、と考えると今回のノルマは少し難しいかもしれないな…」と計算できると思います。ですが、新卒の方や転職したばかりの方がそのような計算をするのはなかなか難しいと思います。
「昨年度のノルマはどうだったのか」「今回提示されたノルマはどのようにしたら達成できるのか」を上司に確認し、そのノルマが客観的に見てどれくらい実現可能性があるのかを確認しておきましょう。
グループ内での協力体制がないから
次に、ノルマを達成できない原因として、グループ内の協力体制がないことも考えられます。
教室長は基本的に個人プレーが求められる職種ではありますが、ノルマはグループやエリア単位で設定されていることが多いように感じます。
5〜6社ほど学習塾の教室長の話を聞いたことがありますが、どこの塾も個人目標に加えてグループ目標を立ててノルマ達成を目指すシステムになっていました。
いくら優秀な教室長がいたとしても、売上アップのノウハウを独り占めしたり、ノルマが厳しそうな教室のカバーをしなかったりすると、グループやエリア単位でのノルマ達成は難しくなると言えるかもしれません。
達成するための具体的なプランを考えていないから
次に、達成のための具体的なプランを考えていない場合も、ノルマを達成できない原因だと考えられます。
教室長のノルマは、先ほども述べたように基本的に数値目標が多いです。そのため、具体的に数値を使ってプランニングしていくことが必要になります。
なんとなく面談をしてなんとなくノルマ達成を目指している場合は、エクセルやスプレッドシートなどを使って、見込み売上を立ててみるのも良いかもしれません。(具体的なやり方は後ほどご紹介いたします)
保護者や生徒との関係性が構築されていないから
次に、保護者や生徒との信頼関係が構築されていない可能性もあります。
売上を上げるためには、
通常期…生徒数を増やす、生徒の通常授業数を増やすなど
講習期…生徒数を増やす、生徒の講習授業を増やす、イベントへの参加を促すなど
の働きかけが必要です。
この働きかけを行うためには、生徒と保護者と日頃から信頼関係を築いておくことが重要です。
信頼関係が築けていれば、どちらからも簡単に同意を得ることができると思います。
ところが、もし教室長である皆さんが
「授業を追加しないかと提案しても反応が良くないな…?」
と悩んでいるのなら、この日ごろからの信頼関係が上手く築けていない場合があります。
「父親に相談したらダメだと言われました。」
「ちょっと家族と相談します。(その後返事なし)」
「金銭的に余裕がないので難しいです。」
などの断り文句で講習授業や追加授業などを断られることが多いのであれば、それは日ごろから生徒や保護者のニーズを満たせていない可能性があります。
教室長のノルマが達成できない時の対策方法
では、教室長のノルマが達成できない原因の対策方法をそれぞれ解説していきたいと思います。
グループ内で情報共有や相談を積極的に行う
まず、会社から提示されたノルマが高すぎる場合は、上司に早めに相談してみましょう。
また、ノルマがグループ単位で課されている場合は上司や同僚に協力を仰いで
・どのような施策を行えばノルマ達成に近づくのか
・生徒・保護者へのアプローチ方法はどのようにするのか
・売上を上げるために特別イベントなどを開催するのか
・販促活動をどのように行うのか
などを相談し、より良い方法を検討していくことが重要です。
また、仮にグループ単位でのコミュニケーションが無い場合でも、自分から売上を上げている教室長に直接ノウハウを聞いたり、本やネット等で情報収集をしたりすることでノルマ達成に近づく可能性があります。
一例として、私が教室長時代に読んでいた本を紹介します。
•リーダーの仮面 ── 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法/安藤広大著
2021年ごろから3年連続で「最も売れたリーダーシップ書」として有名な本です。個人的には少し極端に感じる部分もありましたが、生徒や講師に寄り添いすぎてノルマが達成出来ない優しい方にはおすすめかもしれません。部分的に取り入れてみると、ノルマを達成するマネジャーとしての思考が身につくと思います。
•人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書/坪田信貴著
「ビリギャル」で有名な坪田塾の坪田先生が書かれた本です。様々な生徒がいる中で、それぞれのタイプの生徒にどのように接すれば良いのか、すごく参考になりました。
遠回りなような気もしますが、生徒や保護者に上手く声掛けが出来れば、回り回ってノルマ達成にも繋がると思います。
•人は話し方が9割/永松茂久著
生徒や保護者へのアプローチに悩んだ時に読んだ本です。「話し方が9割」と言いつつも、聞き方についても丁寧に説明があるので、コミュニケーション全般において役に立つ本だと感じました。永松さんの本に書かれていることは、教育業界の営業活動をする上で的を得ていると思います。実践してみるとノルマを達成できるかもしれません。
ノルマ達成のための事前プランニングを行う
また、ノルマ達成のための事前プランニングを行うことをおすすめします。(会社によっては会社指定のシートやシステムなどがある場合もあると思いますので、その場合は指定されたものを使用してください)
事前プランニングの仕方は、
基本的に通常期であれば月末に
①現生徒数
②今月の売上
③今月の売上と目標比(ノルマにあたります)
④今月の売上と昨年度比
⑤来月の目標生徒数
⑥来月の目標売上
を計算し、ノルマに到達している場合もしていない場合もその理由を検討します。
それを踏まえて、次月のノルマを達成するための具体的施策を考えていきます。
また、講習時であれば
①生徒数
②生徒一人ひとりの名前•学年
③面談設定日
④面談実施日
⑤提案予定売上
⑥実際の売上
をエクセルやスプレッドシートなどに入力します。
そのうち、①②⑤を最初に入力し、ノルマとの差を計算します。
もしノルマに到達できそうに無い場合は、ノルマ達成のための具体的施策を考えていきます。
実際に面談をしながら適宜このプランニングシートを修正し、最終的にノルマ達成を目指します。
日ごろから生徒・保護者との信頼関係を築いておく
また、ノルマ達成のために生徒や保護者と話すのではなく、普段から生徒や保護者と積極的に関わり、悩みや褒めるポイントを引き出しておくことが必要です。
普段から生徒を見ていれば、
「〇〇さんが先週数学の点数を上げたいと言っておられたので、夏休みに数学の特訓をしませんか?」
「〇〇さんは入塾時理科が苦手だったのに、この1年間でこんなに出来るようになりました!きっと他の科目もやれば伸びると思います」
など、提案をしやすく、保護者も納得感を持って授業を増やしてくれる可能性があります。
特に、生徒たちは教室長からの声かけが勉強のモチベーションになることも少なくありません。良い意味で「あなたのことを見ているよ」というアピールをすることで、生徒の成績アップにつながり、ひいては売上アップにもつながると思います。
【まとめ】
教室長の仕事に興味がある方や現在教室長として働いている方の中には、「教室長のノルマが気になる!」「教室長のノルマが苦しい…!」と感じている方もいらっしゃると思います。ノルマを達成するには、会社やグループメンバーの協力に加えて自分自身で行う事前準備も必要になります。計画的に、無理なくノルマが達成できる教室づくりができることを願っています。
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